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医進

2022.02.28

今週の医進 vol.37

冬の天気
今週の医進ALでは,冬の天気について学習しました。天気は中学2年で学習する内容ですが,一足早く学習する機会を設けました。
地球科学は,サイエンスの中で最も古い歴史をもつ学問です。また,理科の中で最も大きいスケールを扱う学問でもあります。

まずは,広島で雪が観測された日の天気図を見比べ,共通点を探しました。

広島で雪が降る日は,大陸側が高気圧で海洋側が低気圧の気圧配置になっていることに気づいたようです。天気予報でよく聞く「西高東低」という言葉を書いている生徒もいました。

では,なぜ大陸側が高気圧で,海洋側が低気圧なのでしょうか。
大陸側のほうが空気の密度が大きくて,海洋側のほうが空気の密度が小さいのではないか,という仮説は立てられましたが,今回はもう一歩踏み込んで,なぜそうなるかを確かめてみることにしました。

温度の高い砂と水を用意して,そこから温度を下げていきます。どのように変化するでしょうか。温度計とストップウォッチが同時に記録できるように,iPadを上手に使いこなしています。

15分の実験後,iPadのアプリNumbersを使ってグラフを描いたところ,砂のほうが水よりも温度が下がりやすいことが分かりました。
Web検索によると,モンゴルでは冬場に最低気温が-30℃になることもあるそうです。

ここで以前学習した密度の知識と今回の実験がリンクしたようです。物質は一般に温度が下がると体積が小さくなるため,密度は大きくなります。
空気が冷やされて,空気の密度が大きくなるわけです。このことが,大陸側で気圧が高くなる理由です。

では,なぜ西高東低の気圧配置になったら大雪になるのでしょうか。気圧配置と天気について,AR(拡張現実)を作って風向をイメージすることにしました。
まずは,天気図の等圧線をなぞって(トレースして)パーツをつくります。以前の医進ALで発泡スチロール板を使った立体地形図を作成しましたが,それと同じような作業をデジタルで行っています。

このあと,AR作成用の専用アプリでパーツを積層させれば完成なのですが,丁寧にトレースしすぎたため,今回はその時間が取れませんでした。
近日中に時間をとって完成させる予定です。

理科ALでは「なぜ」や「いかに」の問いを重ねながら,普段の理科の学習や身近な現象を自分のことばで説明できるようにしていく姿勢を大切にしています。

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