校長室だより

2018.08.25

平成30年度 2学期始業式 校長あいさつ

 みなさん、おはようございます。3年前のことになりますが、平成27年も台風の影響で始業式の日程を変更したことがありました。今年度はさらに尊い命を奪うばかりでなく、生活の拠点を今もなお無くされた方々がたくさんおられるという大惨事となりました。こうした状況の中でしたが、みなさんはどのような夏休みを過ごしたのでしょうか。今年は豪雨災害に加えて猛暑を超えて、酷暑という日が連日続いています。こうして元気そうなみなさんを見て、少し安堵しています。
 さて、先ほど平成27年のことを話しましたが、その年の7月17日に中学生だけに本校の卒業生であり、17年前の世界貿易センタービルにおけるニューヨークテロ事件で犠牲になった、伊東和重さんのお父さんから、貴重なお話を伺うことができました。高校生のみなさんは覚えているでしょうか。

 おとうさんの伊東さんは被爆者であり、お兄さんを原爆で亡くされています。講演会のタイトルが「私の二つのグランドゼロ」でした。今なお和重さんのご遺体は見つからず、崩れ落ちた貿易ビルの残骸を骨壺に入れて、葬式をしたことが心をえぐられるように辛かった、と語っておられたことが強く印象に残っています。また、「戦後」という言葉を取り上げられ、この言葉が未来永劫使える単語であって欲しい、つまり一度でも戦争をすれば戦後と言う言葉は消滅する、という意味だと思います。貴重な講演会でした。サッカーグランドのクラブハウスの前にある紅葉は、宮本先生、二宮先生がお亡くなりになった伊東さんを偲んで、同期生に呼びかけて植樹されたものです。機会があれば紅葉の前にあるパネルを読んで見てください。

 さて、二学期は一年間で一番長い学期となりますが、学校行事も文化祭というメイン行事を控えています。中学校3年生、高校2年生は修学旅行も待っています。十分な事前準備や研修をこなして、実り多い秋に向かって欲しいと思います。
 高校3年生は夏休みにすれ違ったり、補習を受けている姿を見ると、はっきりと顔つきが変わっていくのを実感しました。頑張ってできることと、できないことはあります。でも、長い一生の中で、あの時はあんなに勉強したんだな、という体験を残すことが結果はどうであれ今後の成果に必ず繋がっていくと思います。
 みなさん、身体は学校へ来ているが、心は街をさまよっているような状況はないでしょうか。頭も心も体も、そして魂も、すべて学校へ持ってきて、スタートしましょう。
 暦は秋ですが、まだまだ暑さが続きます。健康には気を付けて、爽やかな学期となるよう、お互いに切磋琢磨していきましょう。

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