校長室だより

2016.04.02

校長室だより 4月号

       〜 新年度を迎えて 〜

 

「教育っていうのは、まず楽しませて、興奮させて、そして教える。ところがその、楽しませる、興奮させるところをやらないで、いきなり教えに入るから子どもにとって一番大事なところが欠けてしまう。」

これは、大前研一さんが『柔らかい発想』という本の中で紹介されている言葉です。大前さんは、日本の教育は知識詰め込みであって人間形成という大切なところが欠けている、と常々考えていたそうです。テレビ番組で漫画家のはらたいらさんと共演したときに、はらたいらさんが一枚の絵を描いて表題の言葉を添えられたので全く共感したと述べています。

遊びの中には社会に出たときに役立つケーススタディーがいっぱいあるのに、遊ばないで「正解」を求める勉強ばかりしている。これでは視野の広い人間形成が望めない。「答のないことを学ぶ、つまりは回答を引き出すのではなく、問題を広い視野で考えることを日本の教育はやっていない。」と大前さんは憂いを隠されなかったそうです。

新しい年度がスタートしました。これから教育は、まさに「何を知っているか」から「知っていることをいかに活用するか」という方向に流れが大きく動き始めています。新しい年度が始まるにあたって、まさに、はらたいらさんの言葉は、学校の教壇にたつ者として常に心すべき事だと認識を新たにした次第です。

新築された鯉昇館内の1階メイプル・ホール、ディスカバリーα、γ、βといった呼称に総称されるいわゆるラーニング・コモンズ様式をフル装備した2階、建学の精神にもある錬身をネーミングとした3階の武道場など、まさに新しい時代に呼応した施設・設備が完成しました。大いに活用して、生徒たちと一緒になって新たな城北教育を創造してまいります。今年度もどうぞ変わらぬご支援、ご協力をお願いいたします。

 

平成28年4月  校長 岩本 光彦

 

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