校長室だより

2016.01.07

平成27年度 3学期 始業式 校長あいさつ

 みなさん,あけまして,おめでとうございます。みなさん全員がすばらしい新年を迎えたことと思います。
 さて,3学期のスタートにあたって,今日は水鳥の話をはじめにしたいと思います。北海道の十勝川には毎年百羽あまりの白鳥と、数えきれないほどの鴨が,渡り鳥としてシベリアから飛んできます。こうした水鳥を見て、ふと,こんなことを考えた人がいます。「氷みたいに冷たい水の中なのに,白鳥や鴨は足が冷たくならないのだろうか?」足が凍りつくこともあります。それなのにどうして白鳥や鴨は平気なのか。これには、次のような仕組みがあるそうです。
 水鳥には,体温が二つあり、鳥の体の体温は40度くらいだそうです。ところが足の体温は,それよりもはるかに低く,いつも外温に近くなっています。この二つの体温の境目が、脚と胴のつなぎ目の関節の所で,そこにワンダーネットという、熱交換器があるのだそうです。つまり,脚のほうから来た血液はこの熱交換器を通るとき,心臓から来た血液で温められて体の中に入っていき,逆に心臓から脚のほうに行く血液は,脚から来た冷たい血液で冷やされます。この熱交換器で,温めたり,冷やしたりします。だから零下何度の中でも,体の体温はいつも40度に保ち,脚の体温は低く保つことができるのだそうです。自然界で生き抜くためのすごい知恵ですね。
 さて,3学期が始まりましたが,とても大切な学期です。みんな,階段を一つずつ登る学期だからです。この階段を登るときに,足でしっかりと踏みしめていないと,すべったり,転んだりします。3学期というのは,こうして、しっかり階段を踏みしめるときです。今年一年間の勉強を自分のものにする「まとめ」の時期です。ここで完全に自分のものにして,次の階段に登って欲しいと思います。
 高校3年生は,これまでのまさに総まとめをすることになります。センター試験も,あとわずかとなりました。自分のもてる力を最大限に発揮して,栄冠を勝ち取って欲しいと願っています。水鳥が,自然環境に順応して,体のしくみを変えていったように,それぞれ今の自分の環境や,やるべきことをしっかりと見据えて進んでください。これ以上,もう何もすることはない,と思った瞬間,起こってくる結果はどんなことであっても,それに動揺することはないと思います。健闘を祈ります。
 それではみなさん,悔いの残らない,すばらしい3学期となるよう進んでいただきたいと思います。

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