校長室だより

2015.04.07

第55回中学校・第53回高等学校入学式 校長式辞

 「戸坂の丘のあさみどり」と歌われる、松傘山一帯の山々も春の訪れとともに一層輝きを増し,まさに春爛漫の佳き日,多くのご来賓,保護者の皆様のご臨席をいただいて,ここに第55回広島城北中学校、第53回広島城北高等学校の入学式を執り行うことができますことは,誠におめでたく,本校にとりましてこの上ない喜びであります。
 広島城北中学校第55回生として入学された183名の皆さん,広島城北高等学校第53回生として入学された218名の皆さんおめでとうございます。みなさんは多くの難関を乗り越え,みごと広島城北中学校・高等学校への合格、進級を果たし,それぞれの夢と希望をもって,ここに臨んでいることと思います。私たち教職員一同,皆さんの期待に応えるべく総力をあげて支援する決意でおります。
 本校は昭和36年に第一回の中学校入学式,昭和38年に第1回の高等学校入学式を挙行し今日にいたっております。今年度は創立56周年を迎え,半世紀を超え新たな歩みを進めようとしております。
 本校には三つの「建学の精神」に裏打ちされた、素晴らしい校訓,いわゆる箴言(しんげん),いましめの言葉があります。それは「学んで厭かず、教えて倦まず」ということばです。何事にも立ち向かっていこうとする気概と誇りを持った生き方を通して,自分を大切にするとともに,人をも大切にして生きていこうとする気持ちを語るとともに、無限の可能性を秘めた若者たちを、どこまでも雄々しく育てていこうとする城北教育の神髄であると私は理解しています。
 去る3月1日には第52回生の高校生が,自らの進路目標に向かって努力し,大きく社会に羽ばたいていきました。皆さんも本校の校訓の精神でもって,人をたのまず自らを信頼し,学びそして知ることに喜びを持ち,心身を鍛え,自らを律する気概をもって21世紀の国際社会に向かって大きく船出していった,先輩たちに続いて欲しいと思います。
本校の校章は中心にそれぞれ「中」「高」を配し,二匹の鯉が互いを見つめ合い、今まさに滝登りに向けて力を蓄えているように私には思えます。二匹の鯉がより高みに向けて飛び上がろうとする姿は,本校の力強く前進する姿勢をも表現していると思います。
 「Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.」
「明日は死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」 これはインドの父と敬愛され,自己に厳しく真理を追究した偉大な指導者である,マハトマ・ガンジーの残した言葉です。ガンジーは激しい弾圧,投獄にも屈することなく,非暴力,不服従の民族解放運動を指導し,第二次大戦後は独立運動に献身しました。克己,純潔,不殺生というヒンズー教の教えを守り抜き,まさに残した言葉どおり,明日がないと思って毎日にのぞみつつ,永遠に生きるつもりで学び続けるという姿勢を貫きました。学問の道も同じであります。人生の大海原を前に,探し求めるものが見つからないと嘆いたり,不満を漏らしたりする人々への戒めの言葉でもあると思います。
これから皆さんが学ぶ広島城北中・高等学校での生活は、強い勉学への意志と能力をもった生徒が,自らの希望と判断によって選択した人生の一段階であります。得意な教科のある人はそれをさらに伸ばし,あまり得意でない人も,勉強は学校生活の基本であることを心にとめておかなければなりません。
クマバチという蜂がいます。体の割に羽の小さいクマバチは,科学者が計算してみると,羽が小さすぎて空中を飛ぶことができないはずであると言われています。しかし,実際には自由に飛び回っています。理屈では飛べないはずの蜂が飛んでいるように,一見,不可能と思われることも,現実には可能になることは世の中にはいくらもあります。
中学校・高等学校は自分の可能性を試してみる期間です。努力する前に自分はできないものと諦めてしまうことなど決してあってはなりません。
皆さんは自らの責任において積極的,主体的に目標に向かって努力していかなければなりません。大海原のかなたには,必ずやみなさんの探し求めるものが待っています。心を豊かにして,大きな気持ちでこれからの学校生活に果敢に挑戦していただきたいと思います。
最後になりましたが,保護者の皆様,本日は,誠におめでとうございます。本日よりお子様をお預かりいたします。私たち教職員は一丸となって,精一杯指導に打ち込み,保護者の皆様をはじめ,県民や地域の方々の期待に応えられる教育を推進してまいります。本校教育と本校教職員への変わらぬ信頼と,ご理解,ご協力を賜りますよう衷心よりお願いして,式辞といたします。

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