医進
2024.03.15
今週の医進2023 vol.17
広島大学救急集中治療医学見学会 2024.3.12
5月の講演会の際にお願いしていた,広島大学救急集中治療医学の見学会が実現しました!
出張前のお忙しい中、教授の志馬伸朗先生にお出迎えいただきました。
10日前に開催された第50回日本集中治療医学会学術集会の記念Tシャツをプレゼントされ、みんな笑顔で記念撮影して見学スタートです。
早速Tシャツを着て見学した生徒もいました。
病院に移動し、田邉優子先生と合流です。早速1階の救急初療室へ。救急患者さんの治療をされている場面を見学しました。
驚いたのが、みなさん明るい雰囲気で治療されているということ。もっと緊迫した場面を想像していたのに。
田邉先生によると「患者さんを不安にさせないために、あえて明るい和やかな雰囲気を作っている」とのこと。
そこまで患者さんのことを思いやる余裕があるなんて、すごい。
緊急手術室も見せてもらい、3階のICU,HCUフロアへ。集中治療室の前には多くのスタッフが常駐しています。
空いている病室で、部屋の設備や医療機器の説明を受けました。
早い回復のためには質の高い睡眠が必要だそうです。できるだけ外の光を取り入れるようブラインドを開けて昼と夜をはっきりさせたり、
時計を目に入る位置に取り付けたりして睡眠のリズムを保つ工夫をしたり、一般病床よりも床ずれしにくいベッドを使ったりしているとのこと。
看護師長さんから「患者ファースト」でチーム医療に取り組んでいると聞き、すばらしいと感動しました。
医療機器も触らせてもらい、実際に身につけてみたりもしました。ここでは以前医療機器講演会で学んだことが役立ちました。
と、突然田邉先生の電話が鳴り、「一緒に行くよ!」と走り出されました。救急現場から医師要請の電話が入ったそうで、
他の医師が出動する様子を見に行こうというのです。みんな走って付いて行きました。
一緒にエレベーターに乗って、救急初療室の中を駆け抜けて外へ。救急車が待っていました。いってらっしゃーい。
この間約1分。医師要請の入電から2分以内に出動することを心掛けているそうです。
他の業務にあたっていても、それを放ってすぐに飛び出す行動力。救急集中治療科医って本当にすごい。
その後また3階へ戻り、実際に患者さんにECMOを装着している様子を見せていただきました(写真はNGです)。
ECMOは扱いが非常に難しい医療機器ですが、広島大学は日本トップクラスの実績を誇ります。
新型コロナウイルス感染拡大の際も、集中治療室で大車輪の活躍だったそうです。
その様子は「命の砦」でも観ることができましたが、今回実際に動いているECMOを見ることができました。
集中治療室の側にある薬品庫にも入らせていただきました。必要な薬品が医師の判断ですぐに使えるよう、側に設置されているそうです。
点滴用の針を触らせてもらい、使い方も教えていただきました。へーそういう仕組みなのか。
救急集中治療医の控室は、何かあればすぐに対応できるように病室のすぐ側にあります。
食事も他の科のように食堂でゆっくり食べることもなく、控室でさっと済ませるそうです。
それでも救急集中治療医としてがんばれるのは、やはりそこにやりがいを感じておられるから。
田邉先生は終始笑顔で案内してくださり、チームのみなさんも全員元気に動き回られていました。
こんなにもやりがいのある科、そうはないですよね。この中から何人が救急集中治療医になるのか楽しみです。
志馬先生、田邉先生、救急集中治療科のみなさん、本当にありがとうございました。