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2021.03.03
高等学校第56回卒業式 卒業生代表決意の言葉
頬を伝わる風が和らぎ、日ごとに春めいてきました。本日は、私たち卒業生のためにこのような心温まる卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、お忙しい中ご列席いただきました校長先生をはじめ諸先生方、並びに保護者の皆さまに卒業生一同厚くお礼申し上げます。
思い返せば、初めて城北の門をくぐったあの日、私たちは緊張と不安に襲われる一方で、それに負けないほどの希望や好奇心を抱きました。あの日から瞬く間に月日は流れ、ついに今日、卒業の日を迎えることになりました。今私たちの心には、城北で過ごした日々が走馬灯のように浮かんできます。城北での日々は、まさしく青春であり、どれもこれも輝かしい思い出ばかりです。一方で、私たちは数々の失敗や挫折も経験しました。自らの至らなさを痛感し、時には悲しみに打ちひしがれたこともありました。しかし、その度に私たちは多くのことを学びとり、自らを高めていくきっかけとなりました。それらの経験も、今となっては大きな財産であり、宝物です。
先生方には、言葉では言い表せないほどお世話になりました。私たちに深い愛情をこめ、親身になって接してくださった先生。特に、私たちの学年は、大学入試改革にコロナ禍が相まって、刻々と状況が変化していく中にありながら、私たちの不安を取り除こうと、丁寧に、そして最後の最後まで全力で指導してくださいました。とりわけ、最後の一年間は、長きにわたる休校や、さまざまな行事が制限され、気持ちが塞ぐことも多くありましたが、私たちの日常は決して当たり前な事柄ではないことに気づかされ、「有難い」という言葉の意味をかみしめました。今日こうして、この式典に顔を合わせられることは、この上なく幸せなことなのだと実感しています。苦労の絶えない一年間ではありましたが、物事に対する感謝の念を、これからももち続けて過ごします。
そして、今までずっと支え続けてくれた家族にも改めて感謝します。これまでの歩みの中で私たちは家族に対してたくさん甘え、時には反抗的な言動をとってしまうこともありました。これらを成長過程のひとつと、心優しく受け入れてくれた家族。私たちが今こうしてみなさんから「おめでとう」の言葉をかけてもらえるのは、家族の支えがあったからこそだと感じています。高校卒業という一つの区切りを迎えますが、未熟な私たちはこれからも心配をかけるかもしれません。しかし、これまで私たちがいただいた恩を家族に、そして社会に返すことができるように、日々精進していきます。
「今日という日は残りの人生の最初の一日である」という言葉があります。まさに今日、私たちは思い出深い城北を離れ、それぞれの道を歩み始めようとしています。これから激動の時代を駆け抜けていく私たちには、多くの困難や試練が待っているかもしれません。それでも、苦楽を共にした私たち城北健男児ならば、間違いなく乗り越えられると確信しています。寂しさを感じずにはいられませんが、出発の時です。広島城北の思い出を糧に、精一杯生き抜いてまいります。
最後になりましたが、広島城北高等学校の益々の発展と、諸先生方、並びに在校生諸君のご健勝とご活躍を祈念し、決意の言葉とさせていただきます。
長い間、本当にありがとうございました。
令和三年三月一日 卒業生代表 高橋慶