2025.12.19
令和7年度 2学期 終業式 校長あいさつ
私がいつも話しているのは、みなさんが自分の将来のことを考えるときに役立ててほしい考え方です。今回も。
みなさんは、自分がどうなりたいか、誰のために何をしたいか、考えたことがありますか?
私自身の経験を聞いてください。何年か前、大学院の講座を受講するために何種類かの出願書類を書いていたときのことです。
履歴書や職務経歴書を書くのは簡単でした。自分が通ってきたこれまでの道のりを順番に並べればいいんです。ところが最後に「キャリアプランシート」という1枚が残りました。そこにはこう書かれていました。「大事にしたい価値観」「興味関心」「強み」「今後やってみたいこと」「自己PR」。
正直、こう思いました。「こんなこと、いまさら書けるか」未記入のまま提出しようとしたとき、担当のキャリアコンサルタントに言われました。「中川さん、あなたは子どもたちにこういうことを考えるように指導してきたんじゃないですか?」その一言で、逃げられなくなりました。
その方の目の前で時間をかけて、なんとか書きました。でも、最後まで書きにくかった項目がいくつかありました。それを見てまた、キャリアコンサルタントが言いました。
「だれのために、何のためにこれまでやってきたんですか」そう問われて、また考えました。
「だれのために何をしてきたのか」その視点で改めてこれまで自分がやってきたことを振り返ってみると、けっこうたくさんのことばが出て来て、提出書類は完成しました。
「目標を立てよう」とか「将来のことを考えよう」と言われても「何から考えたらいいのか分からない」と立ち止まることがみなさんにもあるでしょう。でも、そこで立ち止まったまま、考えることもやめてしまったら、自分の未来は動きません。
実現できるかどうかなんて考えなくていいから、「どうなっていることが自分にとってハッピーなのか」「自分がしあわせだと感じるのはどんな状態のときか」未来の理想の状態をまず描いてみることです。
次に「それを実現するために、今自分はどんな資源を持っているのか」を考えます。「資源」って何でしょうか。これまで経験してきたことの中で、自分にとってよい結果をもたらしたことが「資源」であり、自分の「強み」でもあります。
みなさんが持っている手帳に、「ほめポイント」を書く欄があるのを知っていますか?
一週間ごとに、自分にとってよかったと感じたことをそこに書き出していきます。これが「資源」であり、「強み」です。
『自分を信じる勇気』の岩井俊憲さんは、こう述べています。「自分の人生の本当の目標は、誰かに教えてもらうものではなく、自分の心の中にある。」
自分に向けた小さな問いから未来が始まります。「なぜ、いまこの勉強をしているのか?」「この練習は、何を伸ばすためのものか?」「今日の自分は、昨日の自分と比べて何ができるようになったのか?」
問い続ける力が、みなさんを強くします。自分に問いかけながら気づいた「ほめポイント」が自分の資源です。
問い続けることは、自分の心を鍛えるトレーニングです。学校は、その問いを安全に、そして建設的に深めるための場所です。困ったときは、一人で抱え込まずに先生や仲間を頼ってください。頼ることは弱さではなく、協力して乗り越えるための勇気ある選択です。
明日からの20日間、今年を振り返って、「よかったこと」「できたこと」「自分のほめポイント」を確認する冬休みにしましょう。そして、1月8日には、自分の「強み」をたくさん持って、またこうして集まりましょう。
