2025.04.11
高等学校第63回・中学校65回 入学式 校長式辞
桜花爛漫の今日、ご来賓並びに保護者のみなさまのご臨席をたまわり、このように入学式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。
中学校1年生178名、高等学校1年生234名の新入生のみなさん、入学おめでとう。教職員一同、みなさんに会える日がくることを楽しみにしていました。これから始まる城北での生活は、みなさんにとってかけがえのないものになると思います。
城北での一歩を踏み出すみなさんの心に留めてほしい言葉があります。
「学んで厭かず教えて倦まず」。本校の校訓です。
「学んで厭かず」は、生涯を通じて学ぶ姿勢を持ち続けることを言います。「教えて倦まず」は常に進化し続ける行動を表しています。
「学ぶ」とは、学校の授業や部活だけでなく、家庭や社会で身につける「知識」であり、その経験から生まれる「気づき」を指しています。
「教える」は、勉強や経験を通して獲得した知識や技術を「活かす」「行動する」という意味です。
みなさんが獲得した「知識」と「気づき」のすべてが「学び」です。その「学び」は、これからの「行動」に活かされてこそ、はじめて大きな意味を持ちます。
学校では「知識」と「気づき」の掛け算を繰り返すことに心がけてください。もっと大切なことはそこに「行動」を掛け算することです。「行動」がゼロだったら掛け算の答えはいつまでもゼロのままになってしまいます。「知識」「気づき」「行動」の掛け算で一人一人の学校生活に大きな価値を生み出しましょう。
新入生のみなさんの半分以上は100歳を超えて生きると言われています。
これまでの十数年は100年の人生が始まったばかりの地点です。みなさんの人生は、多くの先人たちが経験したことのないほど長い旅になります。100年以上続くその旅の途中で、様々な困難に出会うこともあるでしょう。大きなよろこびを得ることもあるでしょう。みなさんの人生を充実した旅にするためには、生涯にわたって学び続けることが必要です。
長い旅の間には、うまくいくことも、そうでないこともあります。すべてうまくいく人生などありません。失敗したり、落ち込むことがあってもいいのです。
「生きるうえで最も大切な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある」とは、南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラさんのことばです。
転ぶたびに起き上がり続けている、ドラゴンボールZの孫悟空など、アニメの主人公は、多くの仲間とともに起き上がり、前に進み続けています。
みなさんにも、ともに入学した仲間があり、在校生も卒業生も含めると1万七千人を超える先輩たちがいます。みなさんが城北を卒業して社会に飛び立っていったときには、「あなたも城北か」という多くのすばらしい出会いが待っています。
「初心忘るべからず」物事を始めたときの新鮮な気持ちを忘れてはいけないという意味で使われます。室町時代に能を大成した世阿弥のことばです。まさに、新入生のみなさんに贈るにふさわしいことばです。しかし「初心」は、私も含めここにいるすべての人にとって、忘れてはならないものです。
人はみな、それぞれの理想を追い求めて学び続けています。私たち教職員も理想の授業・理想の学校を求めて常に学び続ける旅の途中にいます。すべてをやり遂げた、完成したといえることはありません。中学生も高校生も私たち教職員も何歳になってもその年齢や立場、役割においては初心者として、自分の未熟さを忘れず、謙虚な気持ちであり続けることが大切だと考えます。
保護者のみなさま、ご子息のご入学おめでとうございます。心より、お祝いを申し上げます。ご子息にとって、本校で過ごす時間は、自分の在り方を模索し、自分の責任において将来の道筋を決める大切な時間となります。城北を飛び立つときは、同時に、ご子息が一人の人間として親元を離れ、社会の荒波に漕ぎ出すときでもあります。
私たち教職員は、ご子息の持って生まれた資質や能力を引き出すことができるよう全力で支援してまいります。学校との連絡を密にしていただくとともに、本校教育へのご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。
未来社会を担っていく新入生の皆さんが、今日の気持ちを胸に刻み、心身とも健康で明るく、目標に向かって学校生活を送れますよう心よりお祈りしまして、式辞といたします。