2025.03.26
令和6年度 修了式 校長あいさつ
「自己実現」ということばを聞いたことがありますか?
「充実した幸せな人生を送る」という意味で使われることが多いようです。
「自己実現」とほぼ同じ意味で使われている「進路実現」は、目標の学校に進学することでもあります。では、「進路実現」「自己実現」のために、どうしたら高い目標を持って勉強を頑張っていくことができるのでしょうか?
「自己実現は、人間が最後に行きつく欲求である」と、心理学者のマズローは言っています。「自己実現」にたどり着くまでには、その前に満たされるべき欲求が4段階あるというのです。「自己実現」というピラミッドを完成させるために積み上げていく4つの段階とはなにか、みなさんの日常生活にあてはめて紹介します。
1段階目は「食事や睡眠がとれていて規則正しい生活を送っている」ことです。これを「生理的欲求」と言います。朝自分で起きて食事をとって学校に来る。夜はスマホやゲームにとらわれることなく十分な睡眠をとっている。
できていますか? これができていたら次の段階に進むことができます。
2段階目は「家庭や学校、社会で安心安全な生活ができている」ことです。これは「安全欲求」と言います。周りの人に守られているという安心感があること、事故や暴力、いじめや犯罪などの危険がないことを言います。
学校はきみにとって安心・安全な場所ですか?
学校生活の中で、周りの誰かの安心・安全を損なうような行為はありませんか?
ここにいるすべての人にとって学校は安心・安全な場所であり続けなくてはなりません。
これができていたら次の段階に進むことができます。
3段階目は「家族や友だちとのつながり、クラスや部活などの集団から受け入れられていて、自分が満たされていると感じている」ことです。これは「社会的欲求」と言います。
友だちとの信頼関係、クラスや部活の人間関係、どうですか?
受け入れられていますか?受け入れていますか?
これができていたら次の段階に進むことができます。
4段階目は「親や先生に認められたいというだけでなく、自分を客観的に評価することができるようになり、自己肯定感・満足感が高まっている」ことです。これは「承認欲求」と言います。これが満たされていないと、劣等感を持ったり・無気力の状態になったりします。
ここまで4段階の欲求が満たされたら、その上に「自分の能力を最大限に発揮して理想の自分になりたい」という「自己実現の欲求」に進みます。ここまで来てはじめて意欲的に努力やチャレンジを続けることができるようになります。
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」とマズローは言っています。
4月には新たに178名の中学校1年生、234名の高校1年生を迎えます。
すばらしい学校であり続けるために、みんなの力が必要です。いっしょに成長していきましょう。