校長室だより

2024.12.20

令和6年度 2学期 終業式 校長あいさつ

 二学期の始業式で、「ガチャ」の話をしました。
 みなさんが毎日体験する様々なことを「ガチャ」に例えて話しましたが、「ガチャ」の魅力は、何が出るか分からない面白さやワクワク感でもあります。みなさんの毎日の生活の中に、どれくらいその面白さやワクワク感を感じる場面がありますか。

 朝起きて、学校に来て、授業を受けて、部活をして、家に帰って、寝るという一日の中で、面白いと感じたり、ワクワクしたりする出来事はきっとどこかにあるはずです。それをキャッチできるかどうか。自分の感度を高くしてアンテナを張っておくことが大切です。昨日と同じ今日をただ過ごすのではなく新しい何かを見つけようとする意識を持つことが重要です。
 明日からはじまる冬休み、みなさんの生活の中にも、今日までとは違う何かに気づくような毎日を送ってほしいと思います。

 ほんとうに手に入れたいものはなんですか?と聞かれたとき、みなさんはなんと答えますか?
クリスマスのプレゼントのようなものとは違って、自分が心から手に入れたいと思う「ミライ」のことです。そんな「ミライ」がたくさん入ったガチャがみなさんの目の前にあります。
 しかし、その中からアタリが出るかどうかは約束されていません。もっといえば、何がアタリなのかも今はまだわかっていないかも知れません。
 手に入れたい「ミライ」を引くためにはガチャを何回も回さなければならないこともあります。ガチャを回す回数が多ければ多いほど自分にとって手に入れたい「ミライ」を引く可能性も増えて行きます。そのためには、漫然と過ぎていく毎日とは少しだけ違った体験が必要かもしれません。

 『宙わたる教室』という小説には、がむしゃらに手を振り回してるうちに何かに気づき、そこから自分の気持ちに変化が起きて、新たな行動を起こしていく人たちが描かれています。
 何度もガチャを回して失敗を重ねながらも、その過程で得られる学びや成長が大切だということを強調しています。ドラマで見ていた人もいるでしょうが、ぜひ、小説を読んでみてください。

 大河ドラマ『光る君へ』では、藤原道長や紫式部を歴史上の特別な人物としてではなく「自分が手に入れたいものは何だろうか」「欲しいものが入っているガチャを探すにはどうしたらいいんだろうか」「失敗を繰り返す中で自分の理想に近づいて行く」…そんな生き方をした人として描こうとしているように感じました。

 これからの2週間余りは、日本ならではの特異な時期です。キリスト教、仏教、神道…いろいろな宗教的行事が短い期間に連続してやって来ます。
 目標は立てたけど「できなかった」という言い訳の沼がそこかしこに散らばっています。昨日と同じ今日を過ごしているだけでは言い訳の沼にはまってしまって動けなくなっていきます。
 共通テストまであと30日となった高校3年生も、1日1点ずつ上げるためにできることを最後まで積み上げていこう。

 新年を迎えたときに「今年こそは」と勢いをつけるためにも、まずは、今日から31日までの10日間を大切に過ごしましょう。そして1月8日には、新しい年の〝野心的な〟目標を持って集まりましょう。

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