2023.04.30
高等学校61回 中学校63回 入学式 校長式辞
百花繚乱、様々な花が咲き始める季節を迎えました。
本日、ご来賓並びに保護者のみなさまのご臨席をたまわり、入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、大きな喜びです。
先ほど、入学を許可いたしました新入生のみなさん、入学おめでとう。在校生、教職員一同、みなさんに会える日がくることを楽しみにしていました。
私たちとともに胸を張って、城北での第一歩を踏み出しましょう。
ある海外の研究によると、2007年に日本で生まれた子どもの半数は、百七歳より長く生きると推計されています。
まさに、このたび入学する高校一年生こそ、2007年に生まれた子どもたちです。
みなさんの人生は、先人が経験したことのない、長い旅になります。百年以上続くその旅の途中で、様々な困難に出会うこともあるでしょう。大きなよろこびを得ることもあるでしょう。みなさんの人生を充実した旅にするためには、生涯にわたって学び続けることが必要です。
一人で旅に出るときには、どこに行くのか行き先を決め、どんなものを見て、どんな体験をするのかを決めます。そして、何を持っていくのかを考えます。
誰かに連れて行ってもらう旅ではありません。自動運転の車で旅するのでもありません。みなさん自身がなりたい理想の大人になるために、自分でハンドルを握って、アクセルやブレーキを操作して、自分の意志で旅を楽しんでください。
私たち教職員も、理想の授業・理想の学校を求めて常に学び続ける旅の途中にいます。みなさんの周りにいる人はみな、それぞれの理想を追い求めて学び続けています。
自分の生きていく長い道のりの中で、みなさんは多くの人とつながっていきます。多様な人で構成される社会には、自分とは違った考え方の人も多くいます。城北にも、自分にはないものを持った人が、たくさん存在します。城北で同じ時間を共有する生徒だけでも千二百人。さらに、卒業して各界で活躍する卒業生は、一万六千人を超えます。
私たちは、人から教わることで自分を成長させることができます。今、身近にいる先生、家族、友人から学ぶだけでなく、本を読んで古い時代に生きた人から学ぶこともできます。
学校は、多くの人との出会いの場でもあります。
「教育とは炎を燃え上がらせることであって、入れ物を満たすことではない」とは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスのことばです。
城北は、みなさんが育つ場所です。新しい自分を見つける旅に出ましょう。いっしょに炎を燃え上がらせましょう。
保護者のみなさま、ご子息のご入学おめでとうございます。心より、お祝いを申し上げます。ご子息は、貴重な青春の密な期間を本校で学ばれることを決意され入学されました。ご子息にとって、本校で過ごす時間は、自分の人生の在り方を模索し、自分の責任において将来の道筋を決める大切な時期となります。城北を飛び立つときは、同時に、ご子息が一人の人間として親元を離れ、社会の荒波に漕ぎ出すときでもあります。
私たち教職員も、ご子息の持って生まれた資質や能力を引き出すことができるよう全力で支援させていただきます。どうか、本校との連絡を密にしていただくとともに、本校教育に対しましてご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。
未来社会を担っていく新入生の皆さんが、今日の感激を胸に刻み、心身とも健康で明るく、目標に向かって学校生活を送れますよう心よりお祈りしまして、式辞といたします。