2021.12.17
校長室だより(部活編2)写真部
写真部
11月23日に、県民文化ホールで開催されていた第53回広島県高等学校写真展を見てきました。当日は、広島城北高校の生徒が受け付け当番の日で、この写真の本校生徒5名が1日、会場のお世話をさせていただきました。
高校生が日常の一部に焦点を当てて切り取った成果は、400点を超える力作ぞろいでした。偶然が呼び出した緊張感のある作品、みずみずしい感性を感じさせる作品、アイデアを絞りだそうと必死になったことが伝わる作品、自分のイメージに近づけようと格闘した跡が見られる作品、心の機微に触れてほっこりさせる作品などなど。
撮影者の意図・知識・技術、その一方で被写体に起こる変化や偶然の動き、それらが合わさって一つの作品になる。しかし何よりも人や自然を見る感性が開かれていなければ、いい写真は撮れないのでしょう。音楽もそうですが、こちらから求め呼びかけることと、対象のほうから呼びかけてくる、その一回性・同時性・偶然性の中に多様な写真の世界が開かれるのだと思います。
代表である川島壮一朗君は、写真部について次のように語っています。
「写真部は、写真を通じて人にその時の気持ちや状況が伝わることを目指して活動しています。日々の活動は、撮影会や写真の展示、学校行事での撮影です。撮影会では、錦帯橋や尾道、宮島に行き二宮先生のアドバイスを受けたりしながら写真展に向けて作品を仕上げています。」
5名の生徒の出品作品を紹介しましょう。一人あたり2点~3点の出品がありましたので自分でその中から1点を選んでもらいました。
2年生 川島壮一朗 「くつろぎ」第53回広島県高等学校写真展5席
この作品は、宮島の光明院で撮影したものです。工夫したところは、人物のシルエットを美しく撮れるように、モノクロにしたことです。そして女性が、都会の騒々しさから離れて、足をのばし、非日常を楽しんでいる様子が写真を通じて感じられるようにしたいという思いを込めて撮影しました。
2年生 大湊太陽「不思議な世界」第53回広島県高等学校写真展5席
この作品は、原爆ドームと柵がともに左右対称になっています。前景を柵にして、背景を原爆ドームにして、奥行きを感じられる作品です。特に工夫したところは原爆ドームを柵で完全に隠しきらない事、そしてモノクロにしたことです。原爆ドームを完全に隠してしまうと、ドームの高さ、そして奥行きが感じにくくなってしまいます。またモノクロにすることで、色の濃い所、薄いところがよく分かり、バックの空から浮かんで見えるようになりました。
2年生 小迫大悟 「8月6日、朝」
原爆の日に様々な人が行き交っているところを原爆ドームと一緒に撮りました。
1年生 年盛晃汰 「辺り一面」第53回広島県高等学校写真展4席(広島県高等学校写真連盟会長賞)
撮影会に先輩たちと行ったとき、二宮先生に「大聖院」という場所を教えてもらい、ライトアップがとてもきれいだったので、何十枚か写真を撮って自分が一番良いと思った写真を選びました。
1年生 栗田晴生 「静かなるせせらぎ」
美は我々の日常の中にあるということに気付いてほしいという思いで撮りました。我々は社会という時間の縛りのある世界を生きています。そして我々は限られた時間を使って見たものに対して美を感じます。しかしこのように美は身近にあることをわかってほしいから撮りました。