校長室だより

2021.01.07

令和2年度第三学期始業式 校長あいさつ

 みなさん、新年あけましておめでとうございます。2021年「丑(うし)」の年です。この「丑」という字は普段見慣れない字があてられていますが、手の指を曲げて物を握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむという意味があるそうです。

 「丑年」生まれの人は、物事をじっくりと考えてから行動する慎重派なのでマイペースだと思われがちですが、忍耐強く、黙々と道を歩んで成果をあげるタイプだと言われています。スロースターターで大器晩成型、そしておっとりして穏やかですが、怒ると怖く、頑固な一面もあると、ある書物には紹介してありました。牛の持つイメージから想像できる事柄のように思えます。

 さて、年は改まりましたが、新型コロナウイルス感染症はいまだに収束が見えない状況にあり、年末にお知らせしましたが、いつの日かはこのウイルスも抑え込むことができる日が訪れるとは思いますが、引き続きしっかりと感染防止策をとり、緊張感をもって生活していきましょう。

 ところで、お話が少し変わりますが、柿沼昌芳さんの著書に「スズメバチ」と「アシナガバチ」の巣はどちらが強いのか、というお話があります。スズメバチは獰猛で毒性も強く、熊や毒蛇にかまれて亡くなる人の数を大きく上回っているそうです。日本の中では、人間にとって最も危険な生物といっていい存在のようです。スズメバチの強さは、針に含まれる猛毒にとどまりません。巨大な顎で他の昆虫類を捕食し、肉団子にしてしまうということでもよく知られています。

 こうした習性を聞くとスズメバチの巣のほうが頑丈で強いと思ってしまいますが、実はアシナガバチのほうが丈夫なのだそうです。なぜでしょうか。それは使われている素材によるのだそうです。スズメバチは木を砕いたものを材料にしており、強く握りしめるとバラバラと崩れてしまいます。アシナガバチは木の皮の繊維を使っているのだそうです。スズメバチの巣は「洋紙」に相当し、アシナガバチの巣は「和紙」にあたるということです。つまり、和紙は水に強く破れにくいという長所があるというわけです。したがって、もろいスズメバチの巣は、土の中や木の穴、屋根の下など雨の当たらない場所に大きな巣を作るようです。

 すべての面において強いということは、ある種あこがれではありますが、現実的に無理なことです。それよりも、ハチのように周りの環境をしっかりと見て、生存戦略を立てることが大切ではないかと著者は述べています。

 私たちも周りに気を配り、状況を分析し、生き方を見つめることがますます大切な時代に生きていくことになります。

令和3年(2021年)がすべての人々にとって、素晴らしい未来に繋がる年となるよう祈念して三学期の挨拶とします。

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