校長室だより

2021.01.01

校長だより(新年1月号)―ハチの巣―

 みなさま、新年あけましておめでとうございます。2021年「丑(うし)」の年です。この「丑」という字は、手の指を曲げて物を握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむという意味があるのだそうです。

 「丑年」生まれの人は、物事をじっくりと考えてから行動する慎重派なのでマイペースだと思われがちですが、忍耐は強く、黙々と道を歩んで成果をあげるタイプだと言われています。スロースターターで大器晩成型、そしておっとりして穏やかですが、怒ると怖く、頑固な一面もあると、ある書物には紹介してありました。牛の持つイメージから想像できる事柄のように思えます。

 さて、年は改まりましたが、新型コロナウイルス感染症はいまだに収束が見えない状況にあり、年末にお知らせしましたが、学校行事や入試日の前後に関わる日程等も大幅に変更しました。広島県は全国ニュースで取り上げられるほど、感染状況が広がってきましたが、感染症対策のレベルを少しでも上げる対応がとれるよう日々考えをめぐらしています。いつの日かはこのウイルスも抑え込むことができる日が訪れるとは思いますが、引き続き緊張感をもって生活することが肝要かと思います。

 お話が少し変わりますが、柿沼昌芳さんの著書に「スズメバチ」と「アシナガバチ」の巣はどちらが強いのかというお話があります。スズメバチは獰猛で毒性も強く、熊や毒蛇にかまれて亡くなる人の数を大きく上回っているそうです。こうした習性を聞くとスズメバチの巣のほうが頑丈で強いと思ってしまいますが、実はアシナガバチのほうが丈夫なのだそうです。それは使われている素材によるということです。スズメバチは木を砕いたものを材料にしており、強く握りしめるとバラバラと崩れてしまいます。アシナガバチは木の皮の繊維を使っているのだそうです。スズメバチの巣は「洋紙」に相当し、アシナガバチの巣は「和紙」にあたるということです。つまり、和紙は水に強く破れにくいという長所があるというわけです。

 すべての面において強いということは、ある種あこがれではありますが、現実的に無理なことです。それよりも、スズメバチのように周りの環境をしっかりと見て、生存戦略を立てることが大切ではないかと述べています。

 私たちも周りに気を配り、状況を分析し、生き方を見つめることがますます大切な時代に生きることになります。

 令和3(2021)年がすべての人々にとって、素晴らしい未来に繋がる年となりますようお祈りして新年のご挨拶とさせていただきます。

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