校長室だより

2019.12.20

2学期終業式 校長あいさつ

 今年も残すところ2週間を切ってしまいました。今年度は元号も変わり、東京オリンピック・パラリンピックの開催もいよいよ来年となります。
 今年は教育の世界において大きな変革が議論されてきました。センター試験という名称が、共通学力テストという名前に変わるだけでなく、英語民間試験の導入も賛否両論あり、大きな話題となりました。1点刻みのようなテストから、考える力、課題を見いだせる力、協働して動くことができる力等々を問われる、21世紀に対応できる力を創造することを目的とした改革でした。
 本校も英語民間試験の導入にあたって、きめ細かな対応を行ってきました。延期が発表された日にテレビのインタビューを多く目にしましたが、「やっていたことが無駄になった」という感想が多く聞かれました。私はこれからみなさんが生きていく社会では、好みとは関係なく、言語はもちろんのこと、宗教・文化・生活様式が大きく異なる世界中の人々と関わることなしに、生きていくことはできなくなると思います。英語は自分の意思を伝え、相手の考え方を理解するためのツールの一つだと思います。そういう意味では、今本校が行っているオンライン英会話やDiscoveryなどは、これまで通り自分の糧となるよう進めていくことが大切だと思います。
 さて、ほとんどのみなさんは、交通ルールや電車・バスの中でのマナーを守って、お互いが快適に過ごせるよう努めてくれていると思っていますが、時々お叱りの電話やメールが入ってきます。
 少し古い話になりますが、「江戸しぐさ」というマナーや他人に対する思いやりを述べた言葉があります。いくつかある中に「こぶし腰うかせ」といわれる例えがあるそうです。江戸時代の人々の乗り物は主に船でした。船が船着き場に着いた時に、後から乗ってきたお客さんが座れるように、自分の握りこぶしの分だけ腰を浮かせて、席を空けてくれるということがなされていたそうです。今のバスや電車での座席と同じものだと考えると、私たちの大先輩の時代から、日本人はマナーを大切にしてきたのだと感じた次第です。こうした思いやりの心は、いつまでも残していきたいものです。
 最後になりましたが、高校3年生のみなさん、これまで十分にやることはやってきたという人も、まだやり切れていないという人も、同じ日にセンター試験に臨みます。結果は、現実になって考えましょう。持てる力を最大限発揮してください。では、みなさん、良い年を迎えましょう。

一覧に戻る