校長室だより

2015.03.23

第52回中学校卒業式 校長あいさつ

只今、卒業証書を授与した209名の皆さん、卒業おめでとう。
 また、保護者の皆さん、お子さんのご卒業おめでとうございます。3年前の幼さはどこかに消え、心身ともにこんなに逞しく成長しました。これもひとえに保護者の皆さんの本校に対するご理解・ご協力と、お子さんに対する深いご慈愛の賜物と教職員一同、心から感謝しております。
 さて、入学当初、皆さんの中には、新しい仲間との出会いや、男子校独特の集団生活に適応するために、戸惑い、対立し、悩む日々の中で自分を見失いかけた人も少なからずいたように思います。私はそんな心の葛藤に頑張っていた
皆さんに、「自分を大事にしよう。自分を好きになろう。同時に、相手の人の痛みのわかる心優しい人になろう」と話したことを記憶しています。このような気持ちや感情を「自尊感情」と呼びます。
 その「自尊感情」には2つの面があると言われています。
 1つは「世界に1つだけの花」という歌にも出てくる、「自分は一番」という「ナンバーワン」の気持ちです。他の人に勝ったと思うと大きくなり、負けたと思うと小さくなる。すぐに大きくなったかと思ったら、あっという間に小さくなる。それは「自信」と相通じるものです。
 もう1つは「オンリーワン」の気持ちです。他の人や世間体を気にせず、自分には長所も短所もあるが、「自分のことが大好きだ」「自分にとって代わる人はいない」と思う気持ちです。この思いはすぐには身に付きませんが、経験を積み重ねることで、少しづつ強くなり自分のものとなります。そして、一度出来上がった「オンリーワン」の気持ちは、なくなったり弱くなったりすることはありません。逆に、自信をなくした時、挫けそうになった時、自分を支え、試練を乗り越える力を与えてくれます。皆さん一人ひとりはまさに「特別なオンリーワン」の存在です。そのことを自覚し、これからの高校生活を確固たる自信を持って心豊かに送ってください。
 はなむけの言葉の最後に、ある人からのメッセージを添えます。「入学当初は自己主張のぶつかり合いで、休憩時間の過ごし方、学校生活への取り組み等には、少しばかり不安を感じていました。しかし、3年間で生徒たちは着実に、しかも、立派に成長してくれました。誠実さ素直さを身に付けるとともに、周りが見え、自分自身の考え方や振る舞いを省みる心の余裕ができたようです。素晴らしい生徒たちでした。」これは、皆さんを手塩にかけて育てられた学年主任の小林先生の偽りのない心情だと思います。
 かっこ良い城北健男児と苦楽をともにした3年間に感謝し式辞とします。
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