2015.03.01
第50回高等学校卒業式 校長あいさつ
静かに降る春の雨の中、正門に通じる桜並木にもようやく春の息吹が感じられる今日の佳き日に、来賓並びに保護者のご臨席を賜り、広島城北高等学校第50回卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生、教職員にとりましても大きな喜びでございます。ご臨席いただきました皆様方に関係者を代表してお礼申し上げます。
??只今、211名に卒業証書を授与しました。皆さんは、平成24年4月7日に本校に入学し、爾来、「学んで厭かず、教えて倦まず」の校訓のもと、また、「師弟同行」の校風の中、勉学やクラブ活動を通して、心身ともに逞しく成長し、本日の卒業式を迎えました。皆さんの卒業を心から祝福します。
今振り返るに、皆さんに出会ってから、いろいろな機会に「自分自身を大事にし、城北健男児としての自覚と誇りを持って行動してください」と話してきました。加えて、自分を尊ぶ気持ち、すなわち「自尊感情」についてもお話ししました。
「自尊感情」とは人より優れているという傲慢な気持ちではありません。誰でも長所もあれば短所もあり、できることもあればできないこともあります。それらすべてを含んで、自分が命あるかけがえのない存在だと感じる気持ちです。そのような「自尊感情」を持つことによって、自分自身の長所・短所を正しく認識し、また、それを素直に受け入れる心の余裕ができる一方で、自からが自信を持って判断し、自分の思いをはっきりと述べることができるようにもなります。
その結果、何事に対しても積極的に取り組み、多くの体験を積み重ねていく過程で、自分自身を認める自己肯定感が増すと同時に、深い思いやりで周りの人を受け入れ、認める「他尊感情」も育まれ、人間的にバランスのとれた魅力溢れる人になれると信じています。
今後、何かで自信を失くし、挫けそうになった時、皆さんもよく知っている「世界に1つだけの花」を口遊んでみてください。特に、「小さい花や大きな花、1つとして同じものはないから、ナンバーワンでなくてもいい、もともと特別なオンリー・ワン」という最後の歌詞は皆さんを精神的に支え、試練を乗り越える力を与えてくれるかもしれません。何故なら、皆さん一人ひとりは、まさに、「特別なオンリー・ワン」なのです。
これからも、周りの人との比較だけで実のない優越感や劣等感を持つような小さな人間ではなく、自分自身を冷静に直視する同時に、相手の立場に立って物事が考えられる心に余裕のある大きな人間であり続けて欲しいと願っています。
終わりになりましたが、保護者の皆様には、本校の教育方針をご理解いただき、絶大なるご支援とご協力を賜りましたことに、深甚の謝意を表したいと思います。また、3年前にお預かりしたお子さんは、こんなに立派に成長し、本日、晴れて学び舎を後にします。お子さんのご卒業を心からお慶び申し上げます。
素敵な若者たちとの出会いに感謝し式辞とします。いつまでもお元気で。