校長室だより

2024.08.01

令和6年度 1学期 終業式 校長あいさつ

 強豪校に敗れはしましたが、高校野球部はすばらしい試合を見せてくれました。3回の表に7点取られましたが、そのうち5点はツーアウトから。あと1つのアウトを取ることがどんなに難しいかを思い知らされた場面でした。すばらしかったのはそのあとです。4回以降も投げ続けたピッチャーは、3回のことがまるでなかったかのようにすばらしいピッチングをしていました。その精神力には感動しました。強豪校相手に9回まで全力のプレイを見せてくれた野球部のみなさん、ありがとう。
 さて、明日から37日間の夏休みに入ります。4月以来新しい学年、新しいクラスになって、遠足、中間テスト、体育祭、期末テストをはじめ、様々なことを体験してきました。その一つ一つは自分にとってどんな行事だったのか。その行事を通して何を経験し、そこからどんな気づきがあったのか、それぞれの場面で自分はどう行動したのか、振り返ってみましょう。何もせずに過ごして来た人は一人もいないと思います。
 1学期の自分に点数をつけるとしたら、何点になりますか。100より小さい数字を考えた人は、自分がつけた点数の中身は何かを考えてみましょう。何ができたのか、何ができなかったのか。今を超えるために夏休みには何ができるようになったらいいのか。より以上をめざして、何をするのか。勉強や部活のことだけでなく、それ以外のことも、この夏休みだからこそできること、夏休みにしかできないことを計画してみましょう。
 こんなことを話すきっかけを作ってくれたのは、みなさんの先輩、卒業生たちです。6月末に、東京で城北高校の同窓会がありました。上は50代から下は20代まで、たくさんの卒業生と話しました。大学教授や、会社の社長、役者もいました。多くは、みなさんがあこがれるような大学に進学した卒業生です。会場で初めて会った学年の違う卒業生同士が、まるで長年付き合っていたかのように話しています。無意識レベルにまで習慣化された「城北スピリット」が身体の中に埋め込まれているのではないかと感じました。
 高校時代に勉強を本気ではじめたきっかけの話もありました。夏休み前にありそうな「オープンキャンパスに行った」「三者懇談で、はっぱをかけられた」という話もありました。 家から通える私立大学ぐらいしか考えていなかった自分に、超難関大学の名前を言われ、その気になって勉強したというのもありました。そんなきっかけを作ったことば、自分の心に火をつけたことばは、いつまでも忘れられないようです。4回以降、別人のように立ち直ったピッチャーにも、きっと何か「きっかけ」があったと思います。
 本気の行動を起こすきっかけは、待っているだけではやって来ません。きっかけを作るのは、家族なのか、先生なのか、友だちなのか、本なのか、旅行なのか。自分からそれを探しに行く夏休みにしてほしいと思います。すべては今日からはじまります。8月26日の2学期始業式には、よりたくましくなった姿を見せてください。

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