校長室だより

2020.12.02

校長だより(12月号)―年越しそば―

 新型コロナウイルス感染症でスタートしたと言っても過言ではない令和2年も、残すところ約1か月となりました。現在では第三波とも呼ばれていますが、広島県においても少しずつ感染が広がっているような印象です。

 長期間にわたる休校、遠足、運動会、体育祭など学校をあげて盛り上がる行事の中止など、生徒のみなさんにとっては残念な思いをした1年間でもありました。今年の流行語大賞が「3密」に決まったと聞きましたが、なんとも複雑な気持ちになる流行語大賞と思ってしまいます。

 さて、二学期も残り少なくなってきましたが、コロナ禍であろうがなかろうが、時間は流れていき最後のカレンダーをめくると新年ということになります。十二月三十一日は大晦日と言いますが、語源と由来を少し述べてみたいと思います。

大晦日の「みそか」は本来「三十日」と書き、「月の30番目の日」という意味だそうです。それが転じて、実際の日付に関係なく、「31日」など「月の最終日」を意味するようになったようです。29日で終わる月は、「九日みそか(くにちみそか)」とも呼ばれるそうです。大晦日の「大」は、一年の最後の月の最終日であることからつけられたもので、「大きい」という意味ではないようです。「三十日」に「晦日」の字が当てられるようになったのは、太陰暦では15日が満月とされ、月はその後欠けていき、最後には月が見えなくなることに由来していると説明されているようです。

 「年越しそば」を食べる風景が大晦日には報道されますが、もともとは、江戸時代の金細工師が、仕事納めのこの日、仕事場に飛び散った金粉や銀粉を集めるため、そばのだんごを転がして集めたそうです。そこから「そばは金を集める」と縁起がいいというわけで、江戸っ子がおそばを食べ始めたそうです。

「そばは切れやすいから一年間の災厄を断ち切ってしまう」年越しそばにあやかって、一日も早い日常が取り戻せる令和3年であってほしいと心から願っています。

 

 

 

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