校長室だより

2017.04.06

平成29年度1学期始業式 校長あいさつ

 みなさん,おはようございます。
 春休みも終わり,いよいよ新緑が鮮やかによみがえる春の到来です。みなさん全員と元気に新年度を迎えることができ,たいへんうれしく思います。
 さて,新しい年度がスタートしましたが,それぞれみんな進級して,一つ上の学年となりました。クラスや担任も変わって,新しい気持ちで学校生活を始める人も多いのではないかと思います。明日には、新中学1年生207名、新高等学校1年生241名を迎えて入学式を行います。6つの学年が一堂に介して、中・高一貫校の城北がスタートします。
 新年度が始まるにあたって、先ほども述べましたが、新しいクラス、新しい担任、新しい友人との出会いがあります。そこで「かけがいのない存在」について少しお話しします。
 この世に二つとないものには,なぜか自然と「大事だ」とか「貴重だ」と感じます。そのようなものを目にすれば,文字通り「有り難い」という気持ちになります。国宝でなくても,1日限定20食のラーメンや有名人のサイン入りの品に対しては,いくらでも同じものが手に入るものとは違う気持ちを抱きます。そのようなものの中でも「ひと」は究極の限定品だという考えを述べる方もいます。
 言うまでもなく,この世に「同じ」人は二人と存在していません。一卵生双生児であっても,それぞれの人格も歴史も交友関係もその時々の感情も,決して同一ではありません。全く同じ人がいないということは,この世にあなたの代わりになる人はいないということです。あなたであるということが,あなたの存在の意義すべてといえると思います。
 私たちは誰一人として完全や万能ではありませんが,個性や特性を持ったユニークな存在で,その存在自体が他人では果たせない意味を持っています。
 「何をして暮らしているか,どんな職業についているかは結局どうでもよいことで,むしろ重要なことは,自分の持ち場,自分の活動範囲においてどれほど最善を尽くしているかだということです。各人の人生が与えた仕事は,その人だけが果たすべきものであり,その人だけに求められているのです。」と、フランクルという人が述べているそうです。
 自分も他人もかけがえのない存在であることを理解することで,生きる意味に気づき,自分と他人を信じて力強く生きることができると思います。
 創立56年目を歩む広島城北中・高等学校生として,胸を張って,自分の可能性を最大限に引き上げ,友を大切にし,自分も大切するみなさんであって欲しいと心から願い,新年度の挨拶とします。

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