校長室だより

2022.03.01

高等学校第57回卒業式校長式辞

 寒い中にも、春の訪れの気配を感じる本日、保護者の皆様のご臨席のもと、広島城北高等学校第57回卒業式を挙行できますこと、誠に光栄であり、喜びに耐えません。
 保護者の皆様
 我々教職員一同、皆様のお力に支えられ、ご子息の卒業の日を迎えることができました。たくましく成長されたご子息の門出を祝福するとともに、明るい将来へ向けて、今後もこのご縁を大切にさせていただきたいと願っています。ありがとうございました。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんがこの学び舎で過ごした約2000日・及び1000日の時間、多感な青春、様々な思い出と感慨が、今胸中をよぎっていることでしょう。その経験と痕跡は、確実に皆さんの血肉となって、今後の人生を支えてくれることでしょう。
卒業とは英語でcommencement、始まりという意味でもあります。これから新しい人生へ船出をする卒業生の皆さんに3つのことをお話しします。
一 プライド
 JOHOKU PRIDE 挑戦する勇気、貢献する勇気。皆さんに繰り返し伝えてきました。プライドとは、人に自慢するものでもなければ、人と比べて高めるものでもありません。尺度は各自の中にある。挑戦を続け、人のために貢献する。自分に恥じない生き方。謙虚で素直な心。こうした態度の中に本物のプライドを育ててほしいと思います。
二 つながり
 ある哲学者は次のような主旨を述べています。「全宇宙の恵みを受けて一輪の花は咲く。たとえどんなに小さな花でも、その一輪の花が咲くことで、今度は全宇宙に影響を与える。」
皆さんは一人ではありません。多くの恵みがつながって生かされています。みなさん一人一人が一輪の花だとしたら、その命を、このつながりの中で生き切ってください。一人一人の力強い歩みが、やがて世界を変えてゆく。時代の波にのまれながらも、皆さんがつながり、生きる、その命の力を信じたい。
三 希望
 コロナに祟られた卒業までの2年数カ月、気持ちも晴れない日々にじっと耐えながら、前を向いて歩んできたことでしょう。そして今日、3月1日。まだ挑戦を続けている多くの皆さんがいる。寒さに震えながら、前を向いて戦っている。そんな皆さんに魯迅の小説「故郷」の最後に書かれた言葉を贈ります。
「希望とはもともとあるものともいえぬし,ないものともいえない。それは地上の道のようなものだ。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」
 試練を乗り越えて今日まで希望を紡いできた皆さん。そんな皆さんに心から敬意を表します。
 城北高校第57期生に春よ来い。
 以上、式辞といたします。

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